2002 FIFA World Cup観戦記

No. 6


2002年6月30日(日)FIFA World Cup 2002 決勝
ドイツ対ブラジル

20:00キックオフ 横浜国際総合競技場 観客数:69,029人



ドイツ
0
0
前半
0
2


ブラジル
0
後半
2


得点者

ロナウド 後半22分
ロナウド 後半34分


先発メンバーや交代選手、詳細な試合内容はこちらこちらをご覧下さい。

2002 FIFA World Cup Final、ドイツ対ブラジル戦のチケットです。

6月30日、とうとう2002 FIFA World Cup Korea Japanのファイナルの日がやってきました。5月31日に韓国で開幕し、翌日の6月1日には日本でも開幕され、死のF組のイングランド、アルゼンチン、スウェーデンの壮絶な試合やG組のイタリア、クロアチア、メキシコ、エクアドルの決勝トーナメント進出をかけた激戦、H組の日本の予選リーグ無敗、決勝トーナメント進出等で多いに盛り上がり、長かったようであっという間の1ヵ月でした。残念ながら日本は決勝トーナメント1回戦で敗れてしまいましたが、決勝トーナメントでも素晴らしい試合が展開されました。最終的に今回のワールドカップの最後の試合を飾るのはドイツとブラジルの強豪2ヶ国となり、何とワールドカップでの初対決が決勝戦という大舞台となりました。

曇り空の元、自宅を4時過ぎに出発。今回は会社同僚達数人での観戦で、まず渋谷駅で会社の後輩と待ち合わせ、軽く食事をして東急東横線、JR横浜線を乗り継いで新横浜に向かいました。新横浜の駅で他のメンバーと合流し、そこで皆にチケットを配布していると例の「チケット譲ってください!」、「I need tickets」の紙を持った人(ブラジル人)が寄ってきて、しきりに「チケット余っているのか」と聞いてきました。「いや余りはない」と言うのですが、その後もチケットを出して見ているだけでも「そのチケットは余っているのか」としつこく聞いてくるような状況でした。(^^;)

1人だけスペインですが、あとは皆ブラジルレプリカ着用です

チケット配布後、皆で競技場へ向かったのですが、観戦者の一人がブラジルのレプリカを買いたいというので、途中でレプリカを売っている人からレプリカを買おうと何人かと値段交渉しながら歩いて行きました。競技場近くまで来て、ここいらで買っておくかということで当人がある外人からレプリカを買ったのですが、その外人は何と僕が準決勝の時に埼玉の浦和美園駅でレプリカを買った外人でした。彼らもここぞとばかり商売しているんだとある面感心してしまいました。

競技場に到着したのは試合開始約1時間前。今回の入場は9日のロシア戦の時とは違い、ゲート前に並ぶことなく非常にスムーズに入場出来ました。今回の席種はカテゴリー2。ドイツサイドのメインスタンド寄りのコーナーの2階席でしたが、上のほうなので全体が見下ろせ、また完全に屋根の下なので雨が降り出しても濡れる心配はありませんでした。周りにはブラジルサポーターが多く、僕も含め仲間の数名はブラジルのレプリカを着ていました。競技場全体の感じはカナリア色の色合いが強かったのですが、ドイツのサポーターも少なくなく、先日の準決勝ほどブラジルサポーターが圧倒していたということはありませんでした。座席はほぼ満員だったのですが、それでもメインスタンドの2階の端の方に100席ほどのまとまった空席が見られました。しかし、それでも入場者数はほぼ満員に近い69,029人!日本対ロシア戦の66,108人を上回る入場者数でした。

決勝戦はドイツ対ブラジルです

ドイツの先発メンバーがアップしてます

守護神カーンもアップ中

ピッチでは既に両チームの選手達がアップをしていました。ドイツサイドだったのでGKオリバー・カーンの練習風景もよく見ることが出来ました。

試合前にセレモニーが行われました

今回の出場国32カ国の国旗がピッチ上を舞いました

天皇陛下と韓国金大統領

キックオフに先立ち、ちょっとしたセレモニーが行われ、先発メンバー発表の後、両チーム選手の選手が入場してきました。入場後の国歌演奏も今日は音楽隊付きで行われました。今日の試合はさすが決勝戦だけあり、天皇・皇后両陛下や小泉首相、韓国の金大統領夫妻、ドイツのシュレーダー首相のそうそうたる顔ぶれの方々も観戦に訪れていました。
そしていよいよ2002 FIFA World Cupファイナルのキックオフとなりました。

両チームがメインスタンド前に整列

両国国家の演奏も今日は音楽隊付きです

2002ワールドカップ決勝戦のキックオフ

序盤はドイツが優勢に試合を進めていました。中盤のシュナイダーや前線のノイビルらがチャンスを作り、左右のクロスからクローゼに合わせるといった攻撃を展開。しかしブラジルのDFが最後は決定的な形にはさせず、ドイツは得点が奪えませんでした。ボールの支配率はドイツの方が上回っているように見えましたが、時折ブラジルもカウンターで攻めこみ、ロナウドが2回GKと1対1の局面を迎えたのですが、ドイツの守護神カーンがこれを阻み、ブラジルも得点できませんでした。前半終了間際にはクレベルソンのミドルシュートがバーに、さらにロナウドの決定的な左足のボレーシュートもカーンの攻守に阻まれ、前半は0対0で終了しました。

決勝の主審はあのコリーナさんです

前半は0対0でした

後半に入ってもドイツの攻勢が続き、後半3分にはノイビルが強烈なFKを放ちますが、そのシュートはGKのマルコスが左手を伸ばし弾いたため、ボールはゴールポストに当たり得点にはなりませんでした。そして後半22分、攻めこまれたドイツがブラジルから何とかボールを奪ったものの自陣でブラジルに取り返され、それをリバウドが左足で強烈なシュート。カーンがキャッチしきれず、前にこぼしたところを詰めていたロナウドが押しこみ、ブラジルに待望の先制点が入りました。
先制されたドイツはクローゼに代えてビアホフを、また右サイドにアサモアを投入して攻撃に出ましたが、逆に後半34分に右サイドからクレベルソンが中央へパス、リバウドがスルーしたボールをロナウドが右隅にシュートを決め、ブラジルが2点目をゲットしました。このシュートはさすがのカーンも届きませんでした。その後ドイツも反撃を試みましたが、守備を固めたブラジルから得点をすることが出来ず、そのままタイムアップ。2対0でブラジルが5度目の優勝を成し遂げました。

後半のキックオフです

ドイツGKカーンのゴールキック

ブラジル2対0でリード、得点は2点ともロナウドです

ワールドカップが始まる前は決して下馬評が高くなかったブラジルでしたが、開幕してみると予選リーグから負けなしの7戦全勝で大会史上最多5度目の優勝を飾りました。圧倒的な強さで勝ち進んできたわけではなかったですが、さすがにこれまで4度の優勝を重ねてきた国だけあって勝負どころを良く知っていて冷静な試合運びをしてきたように思われました。ドイツもヨーロッパ予選でイングランドに大敗をきっする等、前評判は良くなかったですが、GKのカーンを中心とした堅い守りでここまで勝ちあがってきましたが、最後はやはり得点力の差が出てしまいました。

優勝の喜びを爆発させているブラジルの選手達と対照的に敗れたドイツの選手達はピッチでうなだれていました。特にこれまで攻守でチームを引っ張ってきたカーンですが、今大会唯一のミスが敗因となってしまい、試合終了後にゴールポストにもたれかかり、そのまま座り込んでしまった光景を見たときには何とも言えない残念な気持ちになりました。願わくばブラジルの得点がカーンをもってしても止められないようなシュートであれば良かったんではないかと思いました。

ワールドカップ優勝を喜ぶブラジル選手達

敗れたドイツの選手達。カーンの悲しげな姿が印象的でした

勝者と敗者。対照的な両チームでした

しばらくして表彰式が始まりました。レフェリーの表彰に続き、準優勝のドイツが壇上に上がったときにはまだほぼ満員のスタンドから大きな声援が飛んでいました。そして優勝したブラジルが壇上へ上がり、キャプテンのカフーに黄金のワールドカップが手渡され、カフーがそれを大きく頭上に掲げた時にはさらにスタンド全体から割れんばかりの歓声が上がりました。同時に2階の屋根に仕込まれていた何万、何十万という折り鶴が頭上から舞い降りてきて幻想的な光景をかもし出し、表彰式をより一層感動的なものにしてくれました。

ブラジル国旗を持ちウイニングランをするブラジル選手達

ゴール裏のサポーターに挨拶するドイツ選手達

優勝したブラジルの表彰式

そしてワールドカップがキャプテンのカフーに手渡されました

頭上より無数の折り鶴が舞い降りてきました

ブラジル国旗を掲げて競技場を一周

1ヶ月間という長いようであっという間だった2002 FIFA World Cupはこうして幕を閉じました。全64試合の中の4試合のみの観戦でしたが、それだけでもすごく幸運なことであり、さらに全ての試合で好ゲームが観戦でき、素晴らしい思い出となりました。多分一生で一度のワールドカップ観戦になると思います。この感動は一生忘れることはないでしょう。最後に素晴らしいプレーを見せてくれた全ての選手たちに感謝したいと思います。感動と興奮をありがとうございました。

写真をクリックすると拡大写真が見られます。

No. 1
日本対スウェーデン
No. 2
鹿島対イタリア
No. 3
日本対ロシア
No. 4
チュニジア対日本
No. 5
ブラジル対トルコ


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