第24回TOYOTA CUP観戦記

No. 17


2003年12月14日(日)第24回トヨタ ヨーロッパ/サウスアメリカ カップ
ACミラン
(イタリア)対ボカ・ジュニアーズ(アルゼンチン)

19:15キックオフ 横浜国際総合競技場 観客数:66,757人


AC MILAN
(Italy)
1
1
前半
1
1

BOCA JUNIORS
(Argentina)
0
後半
0
0
延長前半
0
0
延長後半
0

 

1
PK戦
3

 

トマソン 前半24分

得点者

ドネ 前半29分


先発メンバーや交代選手、詳細な試合内容はこちらこちらをご覧下さい。

2003年12月14日、今年もクラブ世界一決定戦、第24回トヨタカップを昨年も一緒に行った友人2人と一緒に3人で観戦してきました。今年で5年連続での観戦となりました。今年のカードはACミラン対ボカ・ジュニアーズ。毎年の事ながらヨーロッパのチャンピオンチームは各国の代表チームで活躍する選手が多数含まれています。今年のACミランもそうで、来日メンバーのほとんどがヨーロッパ、南米の代表選手でした。対するボカ・ジュニアーズには南米の代表選手が何人か含まれているだけですが、アルゼンチンでは絶大な人気と実力を誇る強豪チームです。今年もどちらのチームを応援するとか言うのではなく、世界の超一流のプレーを見たいと思っていました。しかしやはり知っている選手、TVで見たことのあるチームのACミランを中心に見る事になってしまいました。(^^;)

開催会場は今年も横浜国際競技場。でも今年は日曜日の開催だったので、仕事の終りの時間を気にすることなく、割りと余裕を持って行く事が出来ました。そうは言っても渋谷から東急東横線に乗ろうとしたら券売機の周りは大混雑(@_@)。菊名経由小机行きのJR連絡切符をなかなか買うことが出来ず、イライラしていたのですが、そのうち乗ろうと思った電車の発車時間が近づいてきたので、連絡切符を諦め、駅員からパスネットを購入し電車に飛び乗りました。予想もしなかった東急渋谷駅の混雑でした。東横線の特急に乗り、菊名で乗り換え、新横浜を通過し、小机まで行きました。座席の位置から考えて小机の方が断然近かったのです。渋谷を17:30に出発し競技場に到着したのが18:15頃。所要時間は約45分と結構短かったです。小机から競技場までの道、特に競技場付近の道は前回横浜国際へ来た時とは全く変わっており、ビックリしました。

競技場に到着し、早速入場しました。観客はレアルファンが大多数だった去年と違ってACミラン、ボカそれぞれ同じくらいの数のレプリカやマフラーを持った人が見られました。
今回の座席はカテゴリー2。メインスタンド1階後方27列目でホーム寄り(ACミラン側)ゴールラインよりもう少しゴール裏に寄ったところでした。ゴールライン寄りだったため、こちら側のゴール前の攻防は良く見えたのですが、やはり向こうサイドの攻防がちょっと遠かったです。(去年と同じく贅沢な悩みですが・・・(^^;))

第24回クラブ世界一
決定戦トヨタカップです

欧州代表はACミラン。サポーターに挨拶しアップを始めます

アップを行うACミランの選手達

昨年の平日開催とは違い、今年は日曜日の開催だったので余裕を持って競技場に行けたため、試合前のアップにも十分間に合いました。席に着き、カメラの準備を終え、まさに売り子からビールを買っている時に友人2人も合流しました。しばらくするとACミランの選手がアップのため、ピッチに出てきました。ボカの方は昨年のオリンピアと同様、ピッチに出てくる気配はありません。南米のチームは試合前にはアップをしないのでしょうか?

しかしACミランの方もピッチに出てきたのはGKを入れ11名。どうやら先発メンバーがピッチに出てきているみたいです。サブのメンバーはボカと同じく室内でのアップなのでしょうか、さすがに(?)世界の一流チームのアップの仕方は独特でした。(=^.^=)
しばらくしてアップも終了し、ACミランの選手がロッカールームに戻っていきました。

選手が戻った後、しばらくして先発メンバーの発表になりました。まずはボカから。GKアボンダンシエリ、DFはペレア、スキアビ、ブルディソ、ロドリゲスの4バック、MFはカーニャ、カシーニ、ドネ、バタグリアの4人、FWはバロスケロットとイアルレイの2トップで、期待の19歳テベスはやはり怪我の影響か先発ではなくサブでのスタートでした。続いてACミラン。GKジーダ、DFはカフー、コスタクルタ、マルディーニ、パンカーロの4バック、見たかったネスタはやはり怪我の影響でメンバーに入っていませんでした。MFはセードルフ、ガットゥーゾ、ピルロ、そして新鋭のカカが入っていました。カカとポジションがダブるルイ・コスタはサブでのスタートでした。FWはトマソンとシェフチェンコ、こちらもインザーギはサブからのスタートでした。ACミランの方は各国代表がずらり並んだそうそうたるメンバーでした。

ボカのFWイアルレイ

ACミランDFマルディーニ(イタリア代表)

こちらもACミランDFのカフー(ブラジル代表)

ACミランMFピルロ(イタリア代表)

ACミランの司令塔MFカカ(ブラジル代表)

ACミランFWシェフチェンコ(ウクライナ代表)

そして両チーム先発メンバーの発表が終わると、いきなりピッチから花火が打ち上がりました。ACミラン側のゴールライン沿い、バックスタンド側のタッチライン沿い、ボカ側のゴールライン沿い、そしてメインスタンド側のタッチライン沿いからも打ち上がり、否応なく試合前の雰囲気が盛り上がって行きました。

そしていよいよ両チーム選手の入場となりました。両チームの選手が登場するとスタンドからはひときわ大きな歓声が上がりました。それとACミランは何と1stの赤黒のユニフォームではなく、白の2ndユニでした。事前に白ユニの方が演技が良く、それを着るんではないかとの情報をつかんでいたので、僕はあまり驚きませんでしたが、周りの人達はちょっと驚いていたみたいでした。両チーム選手がメインスタンド前に整列し、セレモニーが行われた後、写真撮影を経て、選手達がピッチに散って行きました。
そしていよいよキックオフ。ボカのボールで試合が開始されました。

電光掲示板にはACミラン対ボカ・ジュニアーズの表示

ボカゴール裏からも花火が打ち上がりました

子供達と一緒に整列するボカの先発メンバー

こちらは整列するACミランの先発メンバー

来賓の挨拶を受けるボカの選手達

試合前の記念撮影をするACミランの選手達

試合は序盤から中盤で激しいプレスの掛け合いで、ボールの奪い合いが続いていましたが、お互いに決定的なチャンスまでには至りませんでした。前半20分ボカのチャンス、左サイドからのFK。カシーニがゴール前にボールを入れ、それをペナルティエリア内右でドネがダイレクトボレーシュート。ボールはゴール枠内に飛びましたが、GKジーダがセーブ。これがCKになり、イアルレイが蹴ったCKをスキアビがヘッドで合わせましたが、これもGKジーダにセーブされ、得点を奪うことは出来ませんでした。
そして前半24分ACミランの攻撃。ピルロが中盤右サイドでボカのボールを奪い、相手をドリブルでかわしてそのまま前線にスルーパス。DFラインの裏に抜けたシェフチェンコがそのボールをスルー、シェフチェンコの左にいたトマソンがそのボールを受け、GKと1対1になり、冷静にゴールへボールを流し込み、ACミランが先制点をゲットしました。

ボカのキックオフで試合開始

ACミランの左サイドからのFK。背番号20はMFセードルフ

ACミランの右サイドからの攻撃。中央はMFカカ

ACミランゴール前での競り合い

ACミラン先制点ゲット。中央が得点したFWトマソン

ACミランの左CK。キッカーはMFピルロ

しかしACミランが先制したのもつかの間、前半29分左サイドからバロスケロットがゴール前へクロス、そのボールにイアルレイがニアで足を伸ばし合わせますが、これはGKジータが何とかセーブ。しかしそのセーブしたボールをペナルティーエリア内右にいたドネが左足のボレーシュート。ボールはゴールに吸い込まれ、ボカが同点に追いつきました。
前半31分ACミランはピルロがボカのディフェンスラインの裏にパスを送ります。そこへ走り込んだトマソンがシュートを放ちますが、それをDFがブロック。そのこぼれ球をカカがペナルティーエリア外からミドルシュート。しかしそのシュートは惜しくも右のポストに当たり、勝ち越し点とはなりませんでした。

ボカゴール前での攻防

ボカのスローイン。中央はACミランMFカカ

ボカGKアボンダンシエリのゴールキック

その後も一進一退の攻防が続きましたが、お互い得点を奪うことは出来ず、1対1のまま前半が終了しました。試合の展開としてはややACミランが優勢のようでしたが、さすがにクラブ世界一を決める大会だけあって両チームとも好プレー続出で見ごたえのある前半でした。

ハーフタイムに入り、スタジアムの興奮も少し静まってきました。電光掲示板では前半のダイジェストが流されていました。そしてしばらくしてハーフタイムも終わり、まずACミランの選手がピッチに戻ってきました。ハーフタイムでの選手交代はありませんでした。そしてちょっと遅れてボカの選手がピッチに現れました。こちらも選手交代はありませんでした。そしてACミランのボールで後半のキックオフなりました。

前半を終えて引き上げてくる両チームの選手達

後半開始を待つACミランの選手達

こちらは後半に向けてピッチに出て来たボカのイレブン

後半9分ボカはGKからのロングフィードを前線のイアルレイがフリーで受け、右サイドのスペースにパスを出しましたが、これをマルディーニが何とヒールでカットし、チャンスの芽を潰しました。ACミランはなかなか良い形が作れず、その打開のためか後半15分にトマソンに代えエースのインザーギを入れてきました。その直後の後半16分ACミランは右サイドからのFKでピルロがクロスを入れ、シェフチェンコがヘッドで落としたところをマルディーニがボレーシュート! しかしこのシュートはGKにセーブされ、得点にはなりませんでした。ボカも後半28分バロスケロットに代えエースのテベスを投入し、勝負を掛けてきました。後半30分にはボカの右CKをゴール前でスキアビがヘッド。ボールは右方向に外れましたが、それをドネがフォローしヘッドでシュート! しかし惜しくもゴール左に外れてしまいました。

ACミランのボールで後半開始

ACミランのDF陣。中央はカフー(背番号2)

ボカゴール正面でのACミランのFK

ACミランのDF陣とボカの攻撃陣。中央はACミランDFマルディーニ

ACミランゴール前での競り合い

ACミラン、トマソンに代えエースのインザーギを投入

ACミラン後半33分にカカに代え背番号10のルイ・コスタを投入して膠着した試合の打開を図ってきましたが、引いて守るボカのディフェンスをなかなか崩す事が出来ませんでした。一方ボカは試合のペースを掴みACミランを攻め立てていましたが、こちらも得点する事は出来ず、そのまま後半が終了し、1対1のまま、延長戦に突入することになりました。

ボカもバロスケロットに代えエースのテベスを投入

ボカの右CKからACミランゴール前での攻防

ACミラン、カカに代え背番号10のルイ・コスタを投入

延長戦に向けて監督の指示を聞くボカの選手達

延長戦のピッチに向かうACミランの選手達


延長はゴールデンゴール(Jリーグで言うVゴール)ではなく、まず15分の延長前半を行い、どちらかが勝ち越して終了すればそのまま試合終了、同点のままならさらに延長後半の15分を行う方式のシルバーゴール方式で行われました。

5分ほどの休憩をはさみ。延長前半がACミランのボールで開始されました。延長前半も終始引いて守り、カウンターを狙うボカのペースでACミランはなかなか良い形での攻撃が出来ませんでした。延長前半12分ACミランは3人目の交代、ガットゥーゾに代えアンブロジーニを入れてきました。しかし両チームとも得点を奪えず、延長前半も終了となりました。

ACミランのボールで延長前半の開始

ACミランMFルイ・コスタ(中央)

ボカゴール前でACミランの攻撃

続いてサイドチェンジし、今度はボカのボールで延長後半が開始されました。延長後半開始直後の1分、ACミランはビックチャンスを迎えます。ピルロからの浮き球のスルーパスをゴール前中央でシェフチェンコが胸でワンラップしてシュート! しかしこのシュートはボカGKアボンダンシエリがスーパーセーブ。惜しくも得点にはなりませんでした。延長後半10分にはACミランが左サイドのFKを得ます。そのFKをピルロが蹴り、ゴール前にクロスを入れ、それにインザーギがヘッドで合わせ、ゴール! ついに勝ち越し点かと思われましたが、ボカのDFラインが見事なオフサイドトラップを掛けており、オフサイドの判定で得点は認められませんでした。

ボカボールで延長後半開始

ACミランの攻撃陣、手前からセードルフ、シェフチェンコ、ルイ・コスタ

ACミラン、ピルロの左からのFK。この後のプレーがオフサイド

そして延長後半も終了間際の14分今度はボカが右サイドのFKからチャンスを得ますが、このプレーでも得点は入らず、そのまま1対1で延長後半も終了し、試合の勝敗はPK戦で決められることになりました。

PK戦に向けてしばし休息を取るシェフチェンコ

こちらはルイ・コスタ

そのPK戦ですが、ACミランサイドのゴールで行われれば、間近で見ることが出来ます。カメラを持った報道陣がミランゴール前に大挙として押し掛けてきたので、これはラッキーなことにPK戦を間近で見られると思ったのも束の間、その集まって来ていた報道陣が今度は一斉にボカ側へ移動していきます。そして残念なことに結局PK戦は僕の席からは遠いボカ側のゴールで行われることになってしまいました。(T.T)

そしてPK戦が始まりました。先攻はACミラン。1番手はこの日何度も良いプレーを見せていたピルロ、しかしピルロのキックはGKアボンダンシエリが方向を読み切りセーブしました。ボカの1番手はスキアビ、ゴール左下隅に決め、1本目を終わって1対0。ACミランの2番手ルイ・コスタはゴール左隅に決めました。ボカの2番手バタグリアのPKは今度はGKジーダが読んでセーブ。これで1対1。3人目はACミランがセードルフ、しかしゴール右上に外してしまいました。ボカはこの日得点を上げているドネ。ドネはゴール左上に蹴り込み、これで2対1。4人目ACミランはベテランDFコスタクルタ。何度も緊迫した場面を経験しているであろうベテランのコスタクルタですが、彼は何と地面を蹴ってしまいGKに押さえられてしまいました。これでボカの4人目が決めれば勝敗が決まります。ボカ4人目のカシーニは冷静にゴール左上に決め、PK戦までもつれ込んだ第24回トヨタカップはボカの勝利で終わり、ボカ・ジュニアーズがクラブ世界一に輝きました。

ACミラン2番手ルイ・コスタがPKを決める

4番手コスタクルタは地面を蹴ってしまい、土埃が上がる

ボカ4人目のカシーニがPKを決め、ボカの勝利

最後のPKを決め、勝利を得たボカの選手達はピッチに寝転がって喜びを表していました。一方ACミランの選手達は皆肩を落とし落胆の表情を浮かべていました。
試合終了後、表彰式が行われ、両チームの表彰に続き、MVPが発表されました。MVPはPK戦で2本のPKを止めたGKのアボンダンシエリかと思ったのですが、同点弾を決めたドネが獲得しました。

勝利を決め、ピッチに寝転がって喜ぶボカの選手とスタッフ

敗れて肩を落とし引き上げてくるACミランの選手達

MVPのドネが賞品の自動車の前で報道陣の撮影に応える

試合がPK戦までもつれ込み、表彰式が終わったのは10:30を過ぎてしまっていました。もともと試合終了後には一杯やって帰ろうと言う事で店を予約していたこともあり、MVPのドネが賞品のトヨタ製自動車のそばでカメラマンの撮影に応じているのを見ながら僕らは競技場を後にしました。店は新横浜駅前だったので新横浜へ向かい、店でもう一人の友人と合流し、この日の試合の感想を語り合いながら終電近くまで飲んで帰ってきました。

今回のトヨタカップは前評判ではACミラン有利と言われ、戦前は僕もACミランが勝つのかなと思っていました。しかし終始引き気味に守り、カウンター狙いのサッカーをしていたボカ・ジュニアーズが、特に延長後半はそれまでにも増して引き気味にし、PK戦狙いのようにも見られたのですが、その戦術がずばり当たり(?)前評判を覆す形でボカが勝利しました。僕としては素晴らしいプレーが見られて楽しかったのですが、後半から延長にかけては両チームともちょっと単調なサッカーだったような気がしました。しかしやはり世界の一流プレーヤーのプレーが見られて良かったです。(^o^)

これで今年のサッカー観戦も全て終了。来年はいよいよ2006年ドイツワールドカップアジア予選が始まります。来年もたくさんの試合が観戦出来ればと思います。

写真をクリックすると拡大写真が見られます。

No. 14
日本対中国
No. 15
日本対香港
No. 16
日本対韓国



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