Go for Athens! U-23日本代表観戦記

No. 24


2004年3月18日(木)アテネ五輪アジア最終予選 日本ラウンド
U-23日本代表対U-23UAE代表

19:20キックオフ 国立競技場 観客数:54,025人



日 本
3
2
前半
0
0


UAE
1
後半
0

那須  前半12分
大久保 前半41分
大久保 後半2分

得点者

 


先発メンバーや交代選手、詳細な試合内容はこちらをご覧下さい。

2004年3月18日、アテネ五輪の出場権を掛けた最後の闘い、日本対UAE戦が国立競技場で行われました。この本当に重要な最終戦も国立へ見に行ってきました。

この試合前の時点で日本、バーレーンが勝ち点10で並び、得失点差で、日本が首位、バーレーンが2位、そして勝ち点7のUAEが3位という状況になっていました。数字的には3チームとも首位になれる可能性があります。国立の日本対UAE戦だけでなく、同時に西が丘サッカー場で行われるレバノン対バーレーン戦も重要です。日本がアテネ行きの切符を手にするためには少しでも得点差をつけて勝利することが必要です。

この日も16日と同様、18:00の終業後、大門から都営地下鉄大江戸線に乗り、国立競技場に向かいました。しかし先日のレバノン戦の時に比べさらに電車が混んでいたためか、ちょっと遅れて国立競技場駅に着きました。都営地下鉄の地下深いホームからいくつものエスカレーターを乗り継ぎ、千駄ヶ谷門そばの出口から地上に出て、千駄ヶ谷門から競技場に入りました。入場ゲートは先日のレバノン戦よりちょっと混んでいたものの、比較的すんなりと入場することが出来ました。入場ゲートではこの日もブルーカードを配布していたので、それを数枚受け取り、座席に向かいました。

この日のブルーカード

裏面のデザインは日本代表選手達のサイン

電光掲示板に表示された日本対UAEの対戦カードと国旗

この日は朝は暖かかったのですが、昼頃から雨が降り出し、気温も下がっていきました。その雨も夕方にはほとんど上がったのですが、朝からは想像も出来ないくらい冷え込んで来ていました。この日の座席もカテゴリー1、メインスタンドアウエー側前段H列というかなり前の方の席だったので国立競技場の屋根もそこまではカバーしておらず、座席も雨に濡れてしまっていたのでシートについた雨をふき取り、座席に着きました。(後から来た友人が下に敷くシートを持ってきてくれたのでこれ以上濡れる心配はありませんでした。(^o^))この日は会社の後輩や友人等総勢8名での観戦だったのですが、まだ誰も来ておらず、またまた一番乗りでした。この日も持参したレプリカを着用したのですが、冷え込みが厳しくレプリカの上からコートを羽織ってしまい、大事な五輪予選最終戦でもJapanブルーに染まる事が出来ませんでした。(^^;
いつもはこの時点でビールを飲むのですが、この日の試合は非常に重要な試合でもあり気合いを入れて応援するためビールは飲みませんでした。(実は単に寒かっただけという話もありますが・・・(=^.^=))

さすがにアテネ五輪最終予選の最終戦、この日で五輪出場権が取れるか取れないかが決まる試合だけあって、すでにスタンドは満員状態でした。僕が座席に着いた時には既に両チームがピッチに出て、アップを始めていました。そのアップの様子をカメラに収めながらアップを見ていました。今回の座席の位置は先日のレバノン戦の時よりもう少しゴール寄り、センターラインとゴールラインのちょうど間くらいの位置でした。

アップが終了し、戻ってくる田中達也。後ろは大久保

こちらは戻ってくる大久保と平山

こちらは鈴木啓太

しばらくしてアップも終了し、選手がロッカーに戻っていくと直ぐに両チーム選手の紹介が行われました。まずUAEの選手が紹介され、続いて日本選手の紹介になり、満員のスタンドからは大きな歓声が沸き上がりました。GKはこの日も林、U-23の守護神です。DFはこの日も中央に阿部が入り、右は茂庭、左には出場停止明けの那須が入りました。MFはこの日はダブルボランチ、攻守の要になっている今野とレバノン戦を休み休養十分の鈴木啓太が入り、右サイドに徳永、左サイドには森崎浩司が入りました。そしてこの日の3トップ! 中央トップの位置に平山、右に大久保、左に田中達也が入り、超攻撃的な布陣を敷いてきました。3トップの発表の際にはより一層大きな歓声が上がっていました。

3トップの一人、大久保

トップ左サイドに入る田中達也

中央で高さが期待される平山

メンバー発表の後、程なくして両チームの選手が入場してきました。選手入場の際には満員の国立競技場のサポーターが入場時に配られたブルーカードを掲げ、国立競技場全体が青一色に染まりました。両チームの選手がメインスタンド前に整列し、セレモニーが行われ、両国国歌斉唱が行われました。まずはUAE国歌の斉唱、続いて日本国国歌君が代の斉唱になりました。この日の国歌斉唱は藤井フミヤでした。国歌斉唱終了後、先発メンバーの撮影が行われ、その後選手がピッチに散って行きました。

そしていよいよアテネ五輪予選最終戦のキックオフの時間が近づいてきました。もう一つの試合レバノン対バーレーンも西が丘で同時刻のキックオフです。西が丘の試合も気になりますが、それよりこの試合に勝つことが重要です。とにかくこの試合に勝ってアテネ五輪の切符を手元にぐっと引き寄せてもらいたいものです。

日本ゴール裏にはこの日も巨大レプリカとブルーカードで青一色

メインスタンド前に整列した日本イレブン

試合前の撮影に応じる日本の先発メンバー

こちらはUAEの先発メンバー

前半開始前に円陣を組む日本の選手達

そしてUAEボールで最終戦のキックオフとなりました。
試合は序盤から圧倒的な日本ペース。左右からのクロスや左右のFW、大久保、田中達也が動き回り、ゴール前に切れ込む鋭い動きを見せていました。前半8分に日本は右サイドの遠い位置からのFKを得て、これを森崎がゴール前に入れ、そのボールに茂庭がヘディングで合わせましたが、このシュートはゴール上に外れてしまいました。そして前半12分、大久保が左サイドをドリブルで抜いて行こうとしたところを相手のファウルを誘い、日本が左サイドでFKを得ました。このFKを阿部が蹴って、ゴール前にボールを送り、これに中央に飛び込んできた那須がフリーでヘディングシュート! これが見事にUAEゴールに突き刺さり、日本先制! 早い時間に理想的な先制点を奪いました。\(^o^)/
直後にUEAは怪我の選手を交代。普段は頭に来るほどゆっくりと引き上げて来るUAEの選手がこの時は痛む足を引きづりながら急いで戻って来ていました。(^.^;)

日本は先制した後も引き続き攻勢を仕掛けます。西が丘のバーレーンが5点差以上の大差をつけて勝った場合には日本はアテネに行けなくなるのです。当然1点でも多くの得点を奪うべく、攻撃を続けました。前半15分には大久保がペナルティーエリア内でシュートを放ちましたが、これは惜しくもゴール左に外れました。16分には田中達也がミドルシュート。しかしこれもゴール右に外れました。前半19分には左サイド遠い位置からのFKを森崎がゴール前に放り込み、ペナルティーエリア手前で大久保がヘッドで落としたところをDFラインの裏に飛び込んだ田中がシュート。日本追加点かと思われましたが、オフサイドを取られ得点にはなりませんでした。この時は僕や友人、スタンドのサポーターも追加点だと思い大喜びだったのですが、良〜く見てみてると線審の旗が上がっていました。(^^ゞ

UAEボールで五輪予選最終戦のキックオフ

UAE陣内へ攻め込む日本チーム

UAE陣内右コーナー近くでボールをキープする大久保。手前は徳永

日本の右CK。阿部がCKをゴール前に入れる

この日センターフォワードに入っている平山

UAEのFKで相手をマークする鈴木啓太。手前は大久保、奥は茂庭

その後も日本は何度もUAEゴールに迫り、一方的に攻撃を仕掛け、平山のポストプレーから何度もチャンスを作りましたが、得点するまでには至りませんでした。一方守備面では高い位置でのプレスが良く効いていて、UAEに攻撃らしい攻撃をさせず、決定的な場面は作らせませんでした。

前半34分には左サイドを田中達也がスピードに乗って上がって行き、ゴール前へセンタリング。これにニアで大久保が合わせようとしましたが、シュートを打つまでには至りませんでした。前半40分には森崎の右CKのこぼれ玉を阿部がミドルシュートしましたが、ゴール左に外れました。そして前半41分、阿部の左CKがミスキックになり、ゴール前に低いボールが飛んだのですが、これを相手DFがクリアしようとして空振り。ゴール前に流れてきたボールに大久保が左足で合わせ、日本待望の追加点をゲット! この瞬間もスタンドからは割れんばかりの歓声が上がっていました。)^o^(

3人のUAEディフェンスにマークされるFW平山

日本の左CKからレバノンゴール前での競り合い

左右のFW、田中達也と大久保

森崎の右CK

日本の左CK。平山、那須らがゴール前に走り込む。

2点目を決めた大久保に抱きついて喜ぶ平山と鈴木啓太

さらに大久保は前半44分、森崎のFKをゴール前で平山が落としたところに飛び込み、更なる追加点を狙いましたが、相手DFに体を入れられ、ボールには触れず、残念ながら追加点にはなりませんでした。そして2対0と日本がリードして前半が終了しました。

前半が終了し、引き上げて来る選手達。中央は平山。その右は阿部

引き上げて来る左から今野、阿部、那須、森崎

前半は一方的に日本が攻め、何度となく良い場面を作りUEAを圧倒していました。守備では阿部がDFラインを良く統率し、中盤でのプレスも効果的でUAEには全く良いところが見られませんでした。また危うい場面ではMF今野が何度となくUEAの攻撃をカットし、守備で大きな貢献をしていました。

ハーフタイムに入り、当然の事ながら場内放送で西が丘のレバノン対バーレーン戦の途中経過が報告され、前半を終了して1対1とのアナウンスがありました。日本が断然有利の状況を知って、場内からは本当に割れんばかりの大きな声援が沸き起こっていました。我々は前半の途中、日本が先制点を取った後、西が丘のバーレーンの試合が気になりだし、一緒に観戦していた後輩が自宅に確認のメールをしてくれ、その段階では1対0でバーレーンがリード、そしてその後、レバノンが追いつき1対1になったとの情報を入手し、既にアナウンスの以前に前半終了時で日本がかなり有利な状況にあると言うことを知っていました。(^o^)
しかし、後半にバーレーンが猛攻を掛け、後半だけで5点を取る可能性もないわけではないので、日本も気合いを入れ、更なる追加点、そしてUAEに点を与えないようにして欲しいです。

そしてあっという間にハーフタイムも終り、両チームの選手がピッチに戻ってきて、日本ボールで後半の開始となりました。日本は非常に良い形で試合を進めているので当然の事ながらハーフタイムでの選手交代はありませんでした。
そして後半開始早々の2分、日本の右サイドからのFKを森崎がゴール前に入れ、それを平山が競ってこぼれたところを大久保がシュート。このシュートは惜しくもクロスバーに当たり、跳ね返ったボールが相手DFに当たってゴールに向かったところをGKが辛うじて弾いたのですが、これに再度大久保が詰め、右足でシュート。これがUEAゴールに突き刺さり、日本は3点目をゲットしました。この瞬間またもやスタンドからは割れんばかりの大歓声。得点を挙げた大久保がサポーターにアピールすると場内からは大久保コールが沸きあがっていました。\(^.^)/

後半開始に向けて円陣を組む日本代表

日本のキックオフで後半の開始

右サイドからの日本のセットプレー、森崎がFKを蹴る。

日本の守備陣。手前から那須、阿部、茂庭、徳永

この日も攻守に大活躍、ボランチの今野。奥は大久保

UAEゴール前で右CKからのボールを競り合う両チームの選手達

3点目を取った後も日本は攻め続けました。後半10分、大久保がペナルティーエリア手前からドリブルで仕掛け、田中達也にスルーパス。パスを受けた田中達也がシュートを放ちましたが、これは角度がなく、ゴール左に外れました。後半12分にはUEA陣内の右サイドで大久保と相手のエース、イスマイル・マタルが交錯。倒されたイスマイル・マタルが大久保に報復し、一発レッドが出ました。これでUAEはエースを失った上に残り30分以上を10人で戦わなければならなくなりました。日本にとっては相手の攻撃の中心がいなくなり、ますます優位に試合を進めることが出来るようになりました。

後半15分、日本は右サイドから阿部がFKを蹴り、ゴール前に入ったボールを平山がヘッドで合わせましたが、これはゴール左に外れました。後半25分には右サイドから大久保がグラウンダーのクロスを入れ、それに田中達也が合わせましたが、惜しくもゴールポストに当たり、追加点とはなりませんでした。その後も日本は攻撃の手を緩めずUAEゴールに迫ります。UAEは攻撃のエースを欠き、さらに一人少ない10人での闘いのため、ほとんど攻撃をすることが出来ませんでした。時折、UAEの後ろからのチャージなどで日本の選手が足を押さえて痛がるシーンも見られ、後は怪我だけはしないで欲しいと祈るように見つめていました。

ボールを受けようとするFW田中達也

日本の左サイドから森崎のFK。

レッドカードで一発退場のUAEのエース、イスマイル・マタル

GK林のゴールキック

キャプテンマークを付けたMF鈴木啓太。奥は大久保

日本のDFラインを統率する阿部。手前は那須、奥は茂庭に徳永

後半34分には後方からのロングフィードを平山が前線で落とし、それを大久保がダイレクトでゴール前に走りこむ田中へスルーパス。パスを受けた田中はゴールラインまで切り込んで左足で折り返しましたが、ゴール前に詰めた平山に渡る前に相手DFが辛うじて足に当て、ボールは右サイドに流れてしまいました。そして後半40分、得点の期待を一身に受けている平山が絶好の得点のチャンス。右サイドに上がった茂庭から中央の大久保へスルーパスが通り、さらにその大久保から平山にパスが通り、平山はDFをかわしGKと1対1に。平山の五輪予選初得点かと思われましたが、平山の放ったシュートは相手GKの横っ飛びのファインセーブで阻まれ、惜しくも得点を挙げることは出来ませんでした。

UAEゴール前での日本のFK。阿部が直接狙う

日本の3バック。手前から那須、阿部、茂庭

日本ゴール前でのUAEの攻撃

そして残り時間も刻々となくなっていく中、日本は慎重にボールをキープし、時間の経過を待ちました。そしてついにタイムアップ。試合終了の笛と共に選手達はベンチへ駆け寄りました。西が丘でのバーレーン戦の結果が知りたかったのでしょう。ベンチで西が丘が引き分けに終わったということを聞き、アテネ五輪への出場権が獲得できたことを確認してようやく選手達は抱き合って喜びに浸っていました。僕らには前半終了時の1対1の同点の状態から新たに点が動いたとの情報は無かったので、引き分けだったと知っていましたが、場内でも試合終了後まもなく西が丘が1対1で終了したとの結果のアナウンスがあり、スタンドからは大歓声が沸きあがり、満員のサポーター達も大喜びでした。\^o^/

試合が終了し、五輪出場を決め喜ぶ日本選手達

電光掲示板には「おめでとう!」の文字が表示されました

そしてようやく両チームの選手がセンターサークル付近に集まり、試合終了の挨拶を行いました。その後選手達はアテネ五輪出場決定記念Tシャツ(?)を着て、スタンドのサポーターに挨拶をしにピッチを回り始めました。

最後の試合ですから、僕らも選手がピッチを回り終わるまでその光景を見ていました。そして最後にメインスタンド前に集合し、山本監督の挨拶があり、喜びに沸く選手達は山本監督に「ビールかけ」ならぬ「ミネラルウオーターかけ」をして喜びを表現していました。最後に皆で記念撮影。それを見届け、僕らは国立競技場を後にしました。

五輪出場を決め、にこやかにサポーターに挨拶をする山本監督

山本監督にミネラルウオーターを掛け、五輪出場を喜ぶ選手達

勝利Tシャツを着て皆で記念撮影を行う日本チーム

そしてこの日は国立競技場でアテネ五輪出場を決める試合であったため、事前に祝勝会(になって本当に良かったですが・・・^^;)を開こうと決めてあり、一緒に観戦した8名のうち6名と一緒に、さらに事前に別の席で試合を観戦している会社の先輩や後輩にも声を掛けてあり、総勢10名で表参道の居酒屋でこの日の勝利を噛み締めながら祝勝会をやってきました。この日のお酒は本当に美味しかったです。(#^o^#)

これで日本は3大会連続でオリンピック出場を決めました。本番は8月ですが、本大会でのメダル獲得を目指し、頑張って欲しいものものです。
これでしばらく国内でのA代表、U-23の試合はありません。僕も次にまた観戦できる時を楽しみにしていたいと思います。

日本アテネ五輪出場おめでとう!

写真をクリックすると拡大写真が見られます。

No. 22
U-23日本対U-23バーレーン
No. 23
U-23日本対U-23レバノン




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