Go for Athens! U-23日本代表観戦記

No. 22


2004年3月14日(日)アテネ五輪アジア最終予選 日本ラウンド
U-23日本代表対U-23バーレーン代表

19:20キックオフ 埼玉スタジアム2002 観客数:55,442人



日 本
0
0
前半
0
1


バーレーン
0
後半
1

 

得点者

アデル・アッバス 後半26分


先発メンバーや交代選手、詳細な試合内容はこちらをご覧下さい。

2004年3月14日アテネ五輪アジア最終予選日本ラウンド初戦日本対バーレーン戦を埼玉スタジアムへ見に行ってきました。
UAEラウンドを2勝1分の勝ち点7の首位で終えてきたことですし、このまま3連勝してアテネ五輪出場を決めて欲しいものです。この日は会社の後輩3人と一緒に4人での観戦でした。

この日のチケットは日本対バーレーン戦の前に行われるUAE対レバノン戦の見られるチケットだったのですが、僕は日本の試合だけで良いと思い、キックオフの19:20に合わせ競技場に18:00過ぎに到着できるように16:40頃に自宅を出て、自宅最寄駅から地下鉄を乗り継ぎ、浦和美園駅に向かいました。前回埼玉で行われた対イラン戦はチケットの売れ行きが今一つでかなり空席が目立ったのですが、今日は最終予選でもあるので、何とかスタジアム全体が青一色に染まって欲しいです。(*^.^*)

この日配付されたブルーカード

この日の裏面は山本監督の五輪予選バージョンでした

浦和美園駅に近づくにつれて乗ってくるサポーターたちも多くなり、先日のイラン戦よりは観客が多くなるような感じを受けました。浦和美園駅自体は時間がちょっと早かったせいかそんなに混雑してはいませんでした。そしてこの日は先日のイラン戦にもあった浦和美園からスタジアム北門までのシャトルバスが出ていました。(W杯予選のオマーン戦の時は無かったのですが・・・)この日は考える間もなくそのシャトルバスの列に並びました。(^^ゞ このバスは料金\100で後払いのため、降りる時に結構時間が掛かります。前回は真ん中より後ろの席に座ってしまったため、前の人が代金を払っている間待たされたので、今回は出来るだけ前の方にと思い、料金箱のすぐ近くに立ちました。そのおかげで今回はすぐにバスを降りることが出来、さっさとスタジアムの入場ゲートに向かいました。北門から入場し、スタジアムをぐるっと半周し、南門の方にある入り口へ向かいました。ゲートから中へ入る時にはこの日もブルーカードの配布を行っていたのでそれを受け取って中に入りました。

電光掲示板には国旗とともに対戦カードの表示

入場口へ向かう際にはスタジアムでまだ前の試合のUAE対レバノン戦が行われているらしく時折歓声が聞こえてきました。浦和美園へ向かう途中に後輩からメールで「レバノンリード」との連絡が入っていたので、少しでも前の試合が見たいと思い、急いでビールを買い(^^ゞ座席に向かいました。僕がスタジアム中へ入った段階では後半38分、2対1でレバノンがリードしていました。この試合にレバノンが勝つと日本が断然有利になります。スタジアムの観客はほとんどレバノンを応援しており、まるでレバノンのホームのようでした。座席には既に後輩2人が来ており、僕が席について時にはUAEの猛攻が始まっていました。レバノンはその猛攻を何度か跳ね返していたのですが、ついに後半42分にUAEに同点ゴールを許してしまいました。しかしその後のUAEの猛攻は何とか防ぎきり、試合は2対2の引き分けに終わりました。試合終了後、スタジアムからは「レバノン、レバノン」の大歓声が沸き起こっており、レバノン選手もそのエールに嬉しそうに応えていました。これで日本がこの日のバーレーン戦に勝てば最終戦を待たずに五輪出場が決まる可能性が出てきました。バーレーン戦に「勝てば」の話でしたが・・・


両チームの選手が退場すると入れ替わるように今度は第二試合の両チームの選手が入場してきました。スタンドからは日本選手に対して大きな声援が飛んでいました。僕はこの日もレプリカ持参だったので、それを着用しJapanブルーに染まろうと思いましたが、やはりまた寒さには勝てず、上からコートを着てしまい、またまたJapanブルーに染まることは出来ませんでした。この日の座席はカテゴリー1。イラン戦を同じようなメインのロアー(1階席)の中央ややアウエー寄り、入退場する選手が良く見える前から10列目の絶好の席でした。
選手がアップを行っていたこの頃の時間には既に多くのサポーターがスタジアムに詰め掛けて来ており、バックスタンドの2階席の上部を除き、ほぼ満員の状態でした。事前の情報によるとこの日はUAEラウンドに比べ、特に攻撃陣を代えて来るとの事だったのですが、アップでの先発組、サブ組のメンバーを見ているとそれが良くわかりました。

アップ前にサポーターに挨拶する日本代表。

アップを行う平山

こちらは鈴木啓太

アップを終え、戻ってくる選手達。中央手前は大久保、奥は平山

こちらは田中達也

既に貫録さえ感じられる闘莉王

座席で持参したサンドイッチや後輩が持ってきたパンをもらって食べているうちにアップも終わり、選手がロッカーに引き上げていきました。そしてその後すぐに両チームのメンバーの発表になりました。まずはバーレーンのメンバー紹介が行われ、続いて日本のメンバーが発表されました。日本はGKが林、DFは3バックで中央に闘莉王、右に茂庭、左が那須でした。MFはボランチに鈴木啓太と今野、右サイドに徳永、左には出場停止の森崎浩司に代わって根本が入り、トップ下司令塔の位置には初先発の前田が入っていました。FWは田中達也と高松の2トップでした。

日本の壁、DF闘莉王

日本のキャプテン、MF鈴木啓太

守備の要、MFボランチ今野

この日の2トップの一人、田中達也

日本ラウンドから招集された阿部

この日はサブでのスタート、FW平山

メンバー発表の後、程なくして両チーム選手が入場してきました。その際にはバックスタンド2階席上部を除きほぼ満員になったスタジアムのサポーター達がブルーカードを掲げ、スタンドが青く染まりました。両チーム選手がメインスタンド前に整列し、セレモニーが行われ、両国国歌斉唱が行われました。まずはバーレーン国歌の斉唱、続いて日本国国歌君が代の斉唱になりました。この日の国歌斉唱は相川七瀬でした。国歌斉唱終了後、先発メンバーの撮影が行われ、その後選手がピッチに散って行きました。

日本ゴール裏は巨大レプリカ。スタンドはブルーカードで青一色に

メインスタンド前に整列した日本代表

この日の君が代斉唱は相川七瀬

記念撮影に応じる日本の先発メンバー

こちらはバーレーンの先発メンバー

試合開始直前に円陣を組んで気合いを入れる日本代表

そしてキックオフのホイッスルが吹かれバーレーンボールでアテネ五輪アジア最終予選日本ラウンドの初戦が始まりました。
試合は序盤から日本が攻勢に出て、何度となくバーレーンゴールへ向かってボールを運びました。前半11分中央の前田からペナルティーエリア内に走り込む田中達也へスルーパスが通りましたが、このボールは田中達也の足元に収まらず、ボールはGKにキャッチされてしまいました。前半14分には根本がペナルティーエリア手前からミドルシュートを放ちましたが、これはゴール左に外れました。続いて前半21分、根本が蹴った右CKにニアで那須が合わせ、右足のボレーシュート! しかしこのシュートはゴール右に外れてしまいました。

そして前半28分自陣でボールを持った闘莉王がドリブルでセンターサークル付近まで上がったところで足を押さえて転倒しました。そして闘莉王はそのまま担架でピッチの外へ・・・ スタッフが駆け寄り怪我の具合を見ていましたが、そのスタッフが何と両手でバツ印!日本の守備の要、闘莉王がそのままピッチを去ってしまいました。(-_-;) 
その闘莉王に代わり前半30分に日本ラウンドから代表に復帰した阿部が入りました。闘莉王がいなくなったのは痛いですが、阿部のFKは魅力的です。守備にFKに頑張って欲しいです。その後も日本は攻勢を続け、何度もバーレーンゴールに迫りますが、ほぼ全員が引いて守るバーレーンに対し決定的なチャンスを作れませんでした。

バーレーンボールで前半開始

日本の中盤、手前から前田、鈴木啓太、根本

バーレーンゴール前での日本の攻撃

負傷した闘莉王に代わり、阿部が入ります

根本の右サイドからのFK

バーレーンゴール前での攻防

前半40分には左サイドからの日本のFK。阿部がクロスを入れると見せかけ、マイナスのパスを中央の鈴木啓太へ送りました。それを受けた鈴木啓太がミドルシュートを放ちましたが、このボールは相手DFに当たりゴール左へ外れてしまいました。さらに前半44分には相手陣内でボールを受けた田中達也がドリブルでDFをかわし、ペナルティーエリア手前からミドルシュート! このシュートはGKの正面だったのですが、これをGKがキャッチできず弾いてしまいました。しかしそれに味方がだれも詰められず、得点することは出来ませんでした。そして前半はそのまま0対0で終了しました。

前半は圧倒的に攻めつづけた日本でしたが、極端に引いて守るバーレーンの守備に手を焼き、決定的なチャンスを作ることが出来ませんでした。日本の有効な攻撃パターンであるサイド攻撃が封じられ、FW高松に後ろからボールを入れるというパターンが多く見られました。前田からのパス供給もあまり見られず、そのためかトップに入っている田中達也も中盤まで下がってボールを受ける場面が何度か目に付きました。この田中のドリブルが何度かチャンスを生んだように、このような局面を打開するにはトップ下の前田がもっとボールキープするとか、もう一人中盤にボールキープできる選手を置くかする必要があるように感じられました。一方守備ではバーレーンの攻撃をDF陣が良く守り、闘莉王の負傷退場後も阿部がしっかりDFを統率しバーレーンにも決定的な場面は作らせませんでした。この日の第一試合でUAEがレバノンと引き分けているだけに、この試合に勝って五輪出場に王手を掛けて欲しいものです。

前半を終えて引き上げてくる鈴木啓太(左)と田中達也

こちらは那須、手前は阿部

ハーフタイムのアップから戻ってくる平山

ハーフタイムには数少ない(^^ゞ前半のチャンスシーンが電光掲示板に映し出されていました。日本のサブのメンバーもハーフタイムにピッチで練習をしていましたが、ハーフタイム半ばで全員ロッカールームに引き上げて行きました。ひょっとしてハーフタイムでの選手交代もあり得るかもしれません。

そしてハーフタイムが終了し、選手達がピッチに戻ってきました。戻ってきた選手を一人一人確認してみましたが、結局ハーフタイムでの選手交代はありませんでした。

そして日本ボールで後半が開始されました。後半も日本が圧倒的にボールを支配し、攻撃を仕掛けます。後半4分には阿部の右CKがゴール前に入り、高松がヘッドで合わせシュート。これが相手DFに当たった所をゴール前に詰めていた茂庭が体勢を崩しながらシュート! 一瞬ゴールかと思い、我々も含め、スタジアムは歓声に包まれましたが、残念ながらボールはサイドネットに掛かっており、ゴールにはなっていませんでした。後半9分には中盤でボールを受けた高松が、1人でゴールに向かってドリブル突破。ペナルティアリアに入ったところで複数のDFに囲まれて倒されましたが、ファウルの判定はなくPKにはなりませんでした。後半15分には日本が波状攻撃。根本のゴール前のクロスはDFがCKに逃げ、阿部が蹴ったその右CKを高松が競って流れたボールを根本がシュート。そのシュートはDFに当たり跳ね返ったところを再度シュートを放ちましたが、これはゴール左に外れてしまいました。後半19分には阿部が自陣から左サイドのへフィードしたボールを最後は田中達也が中央でミドルシュート! しかし、これもゴール右に外れてしまいました。

後半に向け気合いを入れるため円陣を組んだ日本選手達

日本ボールで後半のキックオフ

バーレーンゴール前での日本のチャンス

何度となくバーレーンゴールに向かってシュートを放ちますが、正確性を欠き、得点出来ずにいた後半26分、バーレーンがカウンターで右サイドへ攻め込んできたところをDFの対処が甘く、最後は何とかペナルティエリアのすぐ外でファウルで止めるしかありませんでした。
そしてそのファウルで与えたバーレーンのFKが壁に当たり、ボールがゴール前に流れました。そのボールへの寄せが一瞬遅れ、相手に頭で落とされたところを豪快に決められて、バーレーンに得点を与えてしまいました。(>_<)
また、この失点はアテネ五輪最終予選初失点となってしまいました。(i_i)

日本は同点ゴールを目指し、ようやく選手交代。後半28分に根本に代え左サイドに石川を入れ、さらに後半34分にはボランチの鈴木啓太に代え攻撃的MF松井を投入。1ボランチにして得点を狙いに行きます。その代わった石川から何度かクロスが出ますが、チャンスには繋がりません。後半も残り少なくなった41分、日本はペナルティーエリアすぐ外、正面やや右寄りの絶好の位置でのFKを得ました。ここは阿部の右足に期待です。スタジアム全体が大きな期待を込めて見守った阿部のFKは味方DF茂庭の背中に当たってしまい、ゴールにはなりませんでした。

日本のDF陣。手前から那須、阿部、茂庭、徳永

ピッチ上で何かを話しあう鈴木啓太(右)と前田

バーレーンゴール前絶好の位置での日本のFKを阿部が蹴る

1点リードのバーレーンはあからさまに中東のチームの常套手段である時間稼ぎに出てきました。ほとんど当たってもいないのに大げさに痛がり、なかなか起き上がろうとしません。スタンドからは割れんばかりのブーイング。しかしバーレーンの選手は全く動じず、転がり続けていました。主審もあまりに見え見えだったので、早く起き上がるように促したり、主審自ら引き起こす仕草も見せていました。日本もさすがにこれに付き合いボールを外に蹴り出すようなことはせず、構わず攻め続けました。とにかくゴール前にボールを入れていましたが、バーレーンの守りを崩すことが出来ず、ついにタイムアップ。五輪アジア最終予選初の黒星をなんとホームの初戦で喫してしまいました。(T.T)

敗戦にうなだれる日本選手達

試合終了と共に歓喜したバーレーンのスタッフがピッチになだれ込み選手達と大喜びしていました。対照的に日本の選手は一応にうな垂れ、そして重い足取りでサポーターに挨拶に回り始めましたが、バーレーンの選手達が何と信じられないことにゴール裏の日本サポーターの方へ駆け寄り、手を振り始めました。ゴール裏からはとてつもなく大きなブーイングが沸き起こりました。全く信じられない光景でした。我々の前でもやられるとたまらないので、早々にスタジアムを後にしました。出口では入場時に配布していたブルーカードが若干余ったのか、退場する人に配っていました。我々もそれを数枚受け取り、スタジアムを出ました。スタジアムから浦和美園までの帰り道は日本サポーターは皆一応に足取りが重いように見られましたが、今日の負けても勝ち点7で3チームが並び、得失点差で日本がまだ首位にいます。僕自身もこの状況にまだほんのちょっぴり余裕があり、そんなに悲観的ではありませんでした。
とにもかくにも次のレバノン戦はぜひ大勝し、最終戦のUAE戦にも勝利しアテネ五輪への出場権を勝ち取って欲しいものです。

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No. 23
U-23日本対U-23レバノン
No. 24
U-23日本対U-23UAE




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